近年「シニア世代向け美容」が注目を集めているのをご存じでしょうか?
超高齢社会となった日本では、60代以上のシニア層は化粧品のマーケットにおいて、重要なターゲット層として位置づけられています。
本記事では、化粧品事業者が知っておきたいシニア向けコスメの市場規模や、シニア世代向けの化粧品開発のポイントについて解説します。
最後まで読めば、今後の化粧品市場で「無視できない存在」であるシニア世代のコスメ事情について知識を深められるはずです。
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資料をダウンロードする▶シニア世代向けコスメが注目されている理由2選
近年高齢者向けのコスメが注目されている理由は、以下の2つです。
- 高齢化社会とともに「シニア美容」市場が拡大している
- シニア女性の美容意識が高まっている
成長市場として今後もニーズが高まっていく「シニア美容」について、しっかりと理解しておきましょう。
高齢化社会とともにシニア美容市場が拡大している
日本では65歳以上の人口が約30%を占めており、今後も高齢化が進んでいくと言われています。「3人に1人が高齢者」であれば、美容市場においてもシニア層は見過ごせない存在です。
また、シニア層は若者世代と比べて経済的に余裕のある人も多く、購買力が高いのも特徴です。シニア世代をターゲットとして販路を拡大するべく、多くの企業が注目しています。
シニア女性の美容意識が高まっている
「人生100年時代」が到来し、昔と比べると60代・70代でも現役で仕事や趣味を楽しむ人が増えています。
そのため、身だしなみとして化粧をする機会が多いシニア層も少なくありません。
実際に、久留米大学の化粧頻度と外出頻度の研究結果によると、外出する機会が多い高齢者ほど化粧をする頻度が高く、スキンケア以外のコスメの使用率も高くなると報告されています。
従来のシニア女性は「他の人から若く見えること」を目的に美容に取り組んでいました。ところが最近は「自分の気持ちを上げる」など、活き活きと生活するために美容を取り入れる傾向が強くなっています。
「自分らしく年齢を重ねたい」「明るく健康的に見える自分でいたい」と言った自然体で年齢に合ったスキンケアやコスメに関心を持つ人に向けたアイテム開発が急務です。
シニア世代が抱える肌の悩み4選
シニア女性は年齢を重ねるにつれて、肌悩みも増加傾向にあります。そうした変化に対応するため、エイジングケア成分を含んだ化粧品へのニーズも年々高まっています。
では、シニア世代の多くが抱えている肌の悩みにはどんなものがあるでしょうか?
乾燥
人は加齢とともに肌の水分量や皮脂が少なくなり、バリア機能が低下して乾燥しやすくなります。40代〜50代頃になると、肌の水分量は生まれたばかりの赤ちゃんと比べて半分ほどに。その後も年齢を重ねるごとに水分量はどんどん減少していきます。
また、年齢が低いほど肌のうるおいを守るバリア機能がしっかりと働くため、歳をとってから「乾燥が気になるようになった」と感じる人も多いでしょう。
シワ・たるみ
肌のハリや弾力を支えるコラーゲンやエラスチンが加齢によって減少し、肌のシワやたるみができやすくなります。
また、肌の深部にあるコラーゲンやDNAにダメージを与える紫外線もシワやたるみの原因のひとつです。若い世代と比べてシニア世代は長く紫外線を浴び、肌へのダメージが蓄積されています。昔は今ほど日焼け止めを使う習慣がなかったため、強い紫外線によるダメージを受けている人も多くいるでしょう。
シミ・くすみ
紫外線ダメージは肌のメラニン色素を増加させ、シミの原因にもなります。
また、年齢を重ねるとターンオーバーの周期が長くなるため、古い角質が肌の表面に残りやすくなり肌の黄ぐすみを引き起こします。
シニア世代になるとシミやくすみが定着してしまっている人が多く「肌の透明感がなくなり顔がくすんで見える」と悩む人も少なくありません。
敏感肌
加齢によって肌の防御力が落ち、敏感肌になりやすいのもシニア世代に多い肌悩みです。
皮脂やセラミドなどの肌を守るうるおい成分が減少し、花粉や乾燥など外からの刺激で肌トラブルが起きやすくなります。
シニア世代向け化粧品開発のポイント5選
シニア世代の肌の悩みに寄り添った化粧品を開発する際のポイントは以下の5つです。
- 保湿力とエイジングケア成分を重視
- 低刺激で安全な処方設計
- 使いやすさへの配慮
- 「年齢を楽しむ」コンセプトづくり
- ギフトや通販にも対応
シニア世代のニーズを理解し、化粧品開発に活かしましょう。
保湿とエイジングケア成分を重視
シニア世代向けコスメのブランドをチェックすると、年齢による乾燥やシワ、シミ、くすみなどをケアしてくれるエイジングケア成分が含まれていることを訴求しています。
以下は肌悩み別におすすめの成分をまとめた表です。
肌悩み | おすすめの成分 |
シワ・たるみ |
・レチノール |
シミ・くすみ |
・ビタミンC誘導体 |
乾燥 |
・コラーゲン |
特に「レチノール」はエイジングケア成分として注目を集めている美容成分です。
エイジングケア成分は濃度が高くなると、肌への刺激が強いものもあります。
特に肌のバリア機能が弱まっているシニア世代には、刺激が強く乾燥を引き起こす可能性があります。セラミドなどの保湿成分を組み合わせた処方設計にするのがおすすめです。
低刺激で安心な処方設計
50代、60代を過ぎてから「ずっと使っていた化粧品が合わなくなった」「敏感肌になった」と感じる人は少なくありません。 そのため、シニア向けの化粧品にはできるだけ刺激の少ない処方が求められます。
具体的には、アルコール・香料・パラベン・着色料などを極力使わない「フリー処方」、アレルギーテスト・パッチテスト済みであることが信頼感につながります。
「敏感肌でも安心して使える」「肌トラブルが起きにくい」といった処方設計は、肌に不安を抱えるシニア層にとって製品選びの大きな安心材料になるでしょう。
使いやすさへの配慮
シニア世代向け化粧品では「使いやすさ」も重要な開発ポイントのひとつです。
視力や握力の低下を考慮し、文字が読みやすく、手に取りやすい太め・軽量の容器を採用するブランドが増えています。
また、化粧水・美容液・乳液などを1本にまとめたオールインワンジェルも人気を集めています。
時間や手間をかけずにスキンケアができる手軽さは、特に朝晩のケアが負担に感じやすい世代にとって大きな魅力です。
ターゲットとなるシニア層が使うのにストレスと感じない容器や形状のアイテム開発を心がけましょう。
「年齢を楽しむ」コンセプトづくり
近年のシニア向けコスメでは、単に「若返り」を目指すのではなく「今の自分らしさを大切にする」というポジティブなコンセプトが求められています。
例えば「年齢を重ねた肌を慈しむ」「自然体の美しさを引き出す」など、共感されるメッセージを持ったブランドが支持を集めています。単なる機能性だけでなく、生き方に寄り添うコンセプトを設定することがファンづくりにもつながります。
ギフトや通販にも対応
シニア世代のコスメでは「プレゼント需要」や「通販対応」も重要なポイントです。子ども世代が母の日や誕生日プレゼントとして化粧品を送るケースも多く、ラッピングなどのギフト対応や贈り物に向いている上品なパッケージデザインは需要が高くなります。
また、近年のシニア世代はスマホ使用率が9割(1*)と言われていますが、自分自身ではネット通販などは難しく、まだまだアナログな買い物がしたいという人も。「電話注文」「同梱チラシ」「サンプルつきのお試しセット」など、高齢層に寄り添ったサービス展開・マーケティング戦略が成功のカギになるでしょう。
(1*)参考:2024年 シニアのスマートフォンの利用に関する調査
シニア世代向け化粧品ブランドの成功例
シニア女性のリアルな悩みに応えながら支持を集めているブランドの事例を紹介します。
エイジングケア
ORBIS(オルビス)、SK-Ⅱ、プリオール、など |
加齢と上手く付き合いながら「自分らしい美しさ」を重視するシニア女性向けの製品を取り扱っています。
高保湿
ドクターシーラボ、momote(モモテ)、キュレル、など |
高保湿な成分が配合され、シニアの水分量が低下して乾燥した肌にぴったりな化粧品を取り揃えています。
低刺激
引用:dプログラム公式サイト
dプログラム、ディセンシア、ミノン、など |
アルコールや刺激成分が含まれず、肌への負担を抑えられる化粧品が人気です。アレルギーテストやパッチテストも行っているため、敏感肌の方や肌が弱いシニアでも安心して使うことができます。
まとめ|シニア向けのコスメは需要が高まっている
超高齢社会を迎える中で、シニア世代の美容ニーズはますます多様化・拡大しています。肌悩みに寄り添いながら、安心・簡単・心地よさを提供するシニア向けコスメは、これからの市場において大きな成長の可能性を秘めた分野です。
現代のシニア女性の美容は「老いや肌トラブルを隠す」ことから「年齢を活かした美しさ」を求める価値観が支持されつつあります。今後は見た目を良くするだけでなく「日々を楽しく過ごすこと」や「生活の質」にまで寄り添う化粧品づくりが求められていくでしょう。
ベイコスメティックスは、シニア向けコスメの開発にも精通しています。マーケティング会社だからこそ、蓄積したシニア世代への販路展開ノウハウで、最適な提案が可能です。
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