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キレート剤とは?配合すべき理由と選び方3選を化粧品づくりのプロが解説

キレート剤がどのような成分なのか気になっていませんか。

化粧品におけるキレート剤とは、原料に含まれる金属イオンを安定させて、変色や沈殿などの品質劣化を防ぐための成分です。

本記事では、キレート剤を配合すべき理由や種類、失敗しない選び方について解説します。

最後まで読めば、キレート剤の効果的な使い方も分かり、ユーザー満足度の高い製品開発を実現できるはずです。

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キレート剤とは|化粧品の品質劣化を防ぐ成分

キレート形成をイメージする図

キレート剤とは、化粧品の品質劣化を防ぐために配合される成分で「金属イオン封鎖剤」とも呼ばれます。

化粧品中には、カルシウムや鉄などの金属イオンが存在し、これらが油脂の酸化や変色、沈殿などの品質トラブルを引き起こすのです。

キレート剤は、カニのはさみのような構造で金属イオンを安定させ(封鎖)、界面活性剤や有効成分の働きをサポートします。特に石けんや洗顔料では、泡立ちや洗浄力の維持にも欠かせない成分です。

高品質で安定した化粧品を開発するなら、キレート剤の選定は非常に重要なポイントです。

キレート剤を配合すべき理由3選

化粧品にキレート剤を配合すべき理由は、以下の3つです。

キレート剤を配合すべき理由

キレート剤の配合は製品品質を守るために不可欠です。キレート剤を配合するからこそ、保存中の安定性を向上させ、ユーザーに長期間使ってもらえる製品づくりが可能になります。

金属イオンによる品質劣化を防止する

金属イオンは、化粧品の酸化や変色、沈殿といった品質問題の主な原因です。

例えば、精製水などの原料水やその他の原材料に含まれるカルシウムや鉄は、油脂の酸化を促進し、製品の色や香りを損なう場合があります。

キレート剤を配合することで、品質劣化の原因となる金属イオンをしっかりと封鎖し、悪影響を及ぼさない状態にします。製品の安定性が高まれば、香りや使い心地もキープでき、ユーザー満足度も高まるでしょう。

有効成分や界面活性剤の効果を維持する

化粧品の有効成分や界面活性剤は、金属イオンと反応すると本来の効果を十分に発揮できなくなる場合があります。

例えば、ビタミンC誘導体は、金属イオンの影響で分解や変質を起こしやすいです。

キレート剤を使用すれば、有効成分や界面活性剤が金属イオンと結合するのを防ぎ、その効果を維持できます。

製品の透明度を向上し長期保存性を確保する

金属イオンが原因で発生する沈殿や濁りは、製品の透明度や美観を損ないます。化粧品の見た目や保存性も、ビジネス成功の重要なポイントです。

キレート剤を配合すれば、物理的なトラブルを防ぎ、クリアな外観を長期間維持できます。

また、長期保存中の変色や分離も抑えられるため、流通や保管のリスクを低減し、返品やクレームの発生も防げます。安定した品質の製品を提供するためには、キレート剤の活用が不可欠です。

キレート剤の種類|化粧品でよく使う成分5選

化粧品で使われるキレート剤はさまざまな種類があります。中でも代表的な5つの成分について、特徴や環境負荷の観点も踏まえて紹介します。

成分 特徴と主な用途 環境への配慮

エデト酸塩(EDTA)

最も一般的で幅広い金属イオンを強力に封鎖し、製品の安定性を高める。ただし生分解性は低い。 環境負荷がやや高い

エチドロン酸(HEDP)

水溶性が高く、特にカルシウムイオンの封鎖に優れる。石けんの変色防止などに使われる。 リン含有で水質汚染が懸念される

ペンテト酸5Na(DTPA-Na)

EDTAよりも強い封鎖力で自然由来成分としても注目され、エコフレンドリーな選択肢となっている。 EDTAより生分解性が高い

アスパラギン酸二酢酸(ASDA)

生分解性が非常に高く、環境負荷が小さい。新しいタイプで幅広い金属イオンに対応できる。 環境負荷が非常に小さい

L-グルタミン酸二酢酸(GLDA)

生分解性が高く、幅広い金属イオンに対応できる。サステナブル志向の製品での採用が増加している。 環境負荷が非常に小さい

エデト酸塩は最も広く使われており、優れた安定化効果を持ちますが、環境負荷が課題です。

エチドロン酸は水溶性が高く石けんの変色防止に効果的ですが、リン含有による水質汚染の懸念があります。

近年は、自然由来で生分解性の高いペンテト酸5Naや、さらに環境負荷の小さいアスパラギン酸二酢酸L-グルタミン酸二酢酸といった新しいキレート剤が注目されています。

キレート剤は、製品の品質維持と環境配慮の両立を目指す現場で、重要な役割を果たしているのです。

キレート剤の選び方3選

化粧品におけるキレート剤の選び方は、以下の3つです。

キレート剤の選び方

キレート剤を正しく選び、品質や環境に配慮した製品づくりを目指しましょう。

成分の効果と安全性を確認する

キレート剤を選ぶ際は、その成分がどの金属イオンにどの程度効果があるか、そして安全性が十分に確認されているかを必ずチェックしましょう。

例えば、エデト酸塩は幅広い金属イオンに強い封鎖力を持ち、多くの化粧品で安定性向上のために利用されていますが、生分解性が低く環境への影響が懸念されています。

一方、ペンテト酸5Naはエデト酸塩よりも強い封鎖力を持ちつつ、自然由来の側面も評価されています。

キレート剤の効果や肌への刺激性、アレルギーリスクなどを事前に調査し、製品のターゲットや目的に合った成分を選定しましょう。

環境負荷の少ないキレート剤を選ぶ

近年、化粧品業界では環境への配慮がますます重視されており、生分解性の高いキレート剤が注目されています。

以前から広く使われてきたエデト酸塩は、金属イオン封鎖効果に優れる一方で、生分解性が低く環境中に残留しやすいという課題があります。

対して、アスパラギン酸二酢酸やL-グルタミン酸二酢酸などの新しいキレート剤は、自然由来で生分解性が非常に高く、環境への負荷が小さいのが特徴です。

サステナブルな製品開発やブランドイメージの向上を目指す場合、環境にやさしいキレート剤の採用を積極的に検討すれば、今後の市場ニーズにも対応できるでしょう。

コストパフォーマンスを考慮する

キレート剤は微量配合でも十分な効果を発揮しますが、種類によって原料価格や必要配合量に差があります。

例えば、従来型のエデト酸塩は安価でコストパフォーマンスに優れていますが、環境配慮型のアスパラギン酸二酢酸やL-グルタミン酸二酢酸はやや高価になる傾向があります。

大量生産や価格競争が激しい市場では、効果とコストのバランスの見極めが重要です。

原価計算や配合設計の段階で、必要最小限の配合と最適な成分選定を行い、品質とコストを両立させましょう。

キレート剤の効果的な使い方3選

化粧品におけるキレート剤の効果的な使い方は、以下の3つです。

キレート剤の効果的な使い方3選

キレート剤を効果的に活用する方法を知り、高品質で安定した化粧品開発を実現しましょう。

適切な配合量を守る

キレート剤は、過剰に配合すると製品コストが増加するだけでなく、環境への負荷も懸念されます。

化粧品におけるキレート剤は、0.01%以下という微量でも十分な効果を発揮するため、必要最小限の使用が基本です。

製品ごとに最適な配合量を見極めるとともに、配合量の目安や関連法規制も必ず確認しましょう。

過剰な添加を避け、最大限の効果を引き出すことで、コスト削減と環境配慮の両立が可能になります。

製品のpHに合わせて選定する

キレート剤の効果は、製品のpHによって大きく左右されます。

例えば、エデト酸塩は中性から弱酸性で高い効果を発揮しますが、アルカリ性では効果が低下する場合があります。一方、エチドロン酸はアルカリ性でも安定した働きを示し、石けんや洗顔料などの製品に適しています。

pHによってキレート剤の安定度定数や金属イオンとの結合力が変化するため、製品ごとのpH特性を踏まえた成分選定が不可欠です。

pHが異なる製品ごとに、最も効果的なキレート剤を選定し、成分の安定性と品質維持を確保しましょう。

他成分との相性を確認する

キレート剤を配合する際は、他の成分との相性をしっかり確認しましょう。

例えば、界面活性剤や有効成分と組み合わせる際、キレート剤がこれらの成分の働きを妨げる場合があります。反対に、組み合わせによっては安定性を高めることもできます。

処方設計の段階で、各成分との相互作用を十分に検証しておきましょう。特に敏感肌向けの製品や高機能化粧品では、成分同士のバランスが品質や安全性を左右します。

事前の試作や安定性試験を徹底し、最適な組み合わせを見つけましょう。

キレート剤配合のアイテム例2選

キレート剤を配合した、以下2つのアイテムを紹介します。

  • ちふれ「泡洗顔」
  • Avene「スキンバランスローション SS n 」

ちふれ「泡洗顔」

ちふれ「泡洗顔」

引用:ちふれ公式サイト

商品名 泡洗顔
区分 化粧品
内容量 180mL
値段 715円(税込)
特徴 ・もっちりとした弾力のある泡が、ポンプからそのまま出てきて使いやすい。
・アミノ酸系洗浄成分と保湿成分(*1)により、つっぱり感なくしっとりとした仕上がりを実現。

ちふれ「泡洗顔」は、アミノ酸系洗浄成分と豊富な保湿成分を配合し、肌のうるおいを守りながらやさしく洗い上げる泡タイプの洗顔料です。

キレート剤としてEDTA-2Na(0.10%)を配合し、水道水などに含まれる金属イオンによる品質劣化を防ぎ、安定した泡立ちと使用感を実現しています。

無香料・無着色・ノンアルコールで、乾燥肌や敏感肌の方にもおすすめです。保湿成分としてグリセリンやブチレングリコールを配合しているため、しっとりとした洗い上がりが特徴です。

(*1)ローズマリー葉油

Avene「スキンバランスローション SS n 」

Avene「スキンバランスローション SS n 」

引用:Avene公式サイト

商品名 スキンバランスローション SS n
区分 化粧品
内容量 200mL
値段 2,750円(税込)
特徴 ・たっぷり配合した温泉水(*2)で、敏感肌やゆらぎ肌を整える。
・ミネラルパウダー(*3)が肌のバリア機能をサポートし、キメを整える。

Avene「スキンバランスローション SS n」は、敏感肌向けに開発された低刺激処方の化粧水です。

温泉水(*2)をベースに、ミネラルパウダー(*3)など肌のバリア機能をサポートする成分とともに、キレート剤としてEDTA-3Naを配合。金属イオンによる成分の変質や沈殿を防ぎ、安定した品質を維持します。

アルコールフリー・無香料で、乾燥しやすい肌やデリケートな肌にもやさしく使えます。毎日の保湿ケアに取り入れやすい製品です。

(*2)整肌成分
(*3)ステアラルコニウムヘクトライト:保護成分

まとめ|キレート剤配合の化粧品ならベイコスメティックス

キレート剤は、化粧品の品質劣化を防ぐために不可欠な成分であり、金属イオンによる酸化や変色、沈殿などのトラブルを未然に防ぎます。

キレート剤の適切な活用は、安定した品質の製品提供とユーザーの満足度向上につながります。

ベイコスメティックスなら、ターゲットやブランドイメージに最適な成分選定が可能です。

成分同士の相性や環境にやさしい設計など、知見が深い担当者が企画から流通まで、企業様を徹底サポートします。

気になる方は、以下から無料の資料をダウンロードして、詳しい内容を確認してみてください。

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